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「習慣」で生き方そのものを変えてみませんか?
今回は、『いい習慣が脳を変える 健康・仕事・お金・IQ すべて手に入る!』(苫米地英人 著 KADOKAWA)を取り上げたいと思います。
これから健康的で幸福な人生を実現したり、自分の仕事を成功させたりするためには、日頃の「習慣」というものが非常に大切であるように思います。
そしてその「習慣」を変えるために新しい視点を与えてくれるのは、日本における「コーチング」の第一人者であり、認知科学者としても有名な苫米地英人氏の『いい習慣が脳を変える 健康・仕事・お金・IQ すべて手に入る!』(苫米地英人 著 KADOKAWA)という一冊です。
本書『いい習慣が脳を変える』のなかで、苫米地英人氏は、日本語でいう「習慣」には、実は「ハビット」と「アティチュード」があることを指摘しており、日本で「習慣」という時、この二つを混同しているケースが多いといいます。
習慣における「ハビット」と「アティチュード」の違いとは?
では、「ハビット」と「アティチュード」の違いは何かといえば、簡単に言うと以下のようになります。
- ハビット・・・「無意識の癖を含む行動性向」。毎朝歯を磨く、顔を洗うなど。
- アティチュード・・・「物事に対する考え方」。口の中を清潔にしておくのは良い事だ、など。
そして、この「ハビット」と「アティチュード」に関して、苫米地英人氏は以下のように述べています。
ハビットとアティチュードに共通しているのは、両方とも脳内にできているパターンだということです。
アティチュードの方は少し抽象的な性質が大きく、ハビットは具体的な行動まで伴っているパターンです。
人間の脳内でそれらがどのように働いているのかというと、まずその人の「信念」であるブリーフシステム(Blief System)に基づき、アティチュードが生まれます。次に、そのアティチュードを行動に移します。それが繰り返されるとハビットになっていくのです。
(苫米地英人『いい習慣が脳を変える』p18~19)
つまり、日々の習慣(ハビット)を変えるには、「アティチュード」や「信念」である「ブリーフシステム」がより重要になってくるのです。
まずブリーフシステムがあり、目の前に起きるなんらかの出来事、判断する状況、そういったものに対して自分が判断を下す、そこでアティチュードが生まれます。
それに基づき実際に行動を起こし、何度も繰り返すようになるとハビットができる。そのハビットは繰り返すことによって、より強い習慣になっていくわけです。
習慣というとハビットの部分だけを指すことが多いですが、実際はそのもととなるアティチュードが一番重要なのです。
(苫米地英人『いい習慣が脳を変える』p20~21)
アティチュードとハビットの関係性から、アティチュードに基づいてハビットを変えることができます。つまりアティチュードが変われば、日々の行動習慣としてのハビットを変えることができるのです。
しかし、「アティチュードが変わる」ということは、その人の「信念」であるブリーフシステムが変わるということです。このブリーフシステムを変えることが一番難しいのです。
なぜなら、ブリーフシステムが階層性を持っているからです。ブリーフシステムの中では、より上の階層が下の階層を支配しています。上の階層が変化しない限りは、下の階層も変化しません。
階層は、互いに依存関係にあり、階層の上下関係は、しばしば脳の抽象的な思考を妨げるように働きます。
それが「煩悩」です。
(苫米地英人『いい習慣が脳を変える』p26~27)
「自分がよければそれでいい」「自分に少しでも利益があることを優先する」、多くの人はそういうブリーフシステムを持っています。抽象度の高い選択をするには、その考えを変えていかなくてはならないのです。変えていくことこそ「いい習慣」で「脳を変える」ということなのです。
(苫米地英人『いい習慣が脳を変える』p27)
ブリーフシステムを変えることがアティチュードを変える。
苫米地英人氏はさらに「ブリーフシステムを変えることがアティチュードを変えることに直結します」と述べ、さらに、
「知識を得るということが、ブリーフシステムを変え、アティチュードにも大きな影響を与えるきっかけになる」
としています。
ブリーフシステムとは、無意識レベルで行っている行動や自身の信念などを指します。この変化でアティチュードも変化するというわけです。
アティチュードは、新たに得た知識によって、一発で変わってしまうことがあります。それは、やはりブリーフシステムが階層性を持ち、依存性を持つからです。抽象度の高低に関係なく、ブリーフシステムの依存性の根本にあるものに働きかけることができれば、あっけなく他の階層まで変化させることができます。
ブリーフシステムは自我のことでもあるので、自分にとって何がより重要かという判断の基準になるものです。自我にとって、それがとても意味を持つ知識であると判断がされれば一瞬にして、ブリーフシステムは変わり、新しいアティチュードが生まれます。
(苫米地英人『いい習慣が脳を変える』p30~31)
アティチュードを具体的に変えるには、「知識」を得ることによって自分自身のブリーフシステムに働きかける。
以上ここまで、苫米地英人氏の『いい習慣が脳を変える』をご紹介してきましたが、本書を読んで分かってくることは、日頃の習慣を変えるには、まずハビットではなく、アティチュードが重要であることです。
そして、そのアティチュードを具体的に変えるには、「知識」を得ることによって自分自身のブリーフシステムに働きかけることが必要になってくるのです。
すなわち、様々ジャンルの本を大量に読むなど、抽象度の高い選択をすることで、自分のブリーフシステムを変えていくことこそ、「いい習慣」で「脳を変える」ことなのです。
このあたりのことは、同じく習慣について述べている『小さな習慣』(スティーヴン・ガイズ 著)とはどこか対称的であるようにも感じますが、抽象度の高い選択をすることは、苫米地英人氏が他の著作や動画などでも述べている、人生のゴールを「コンフォートゾーン」の外に設定することにつながってくるように思います。
「必要なのは大量の知識。大量の知識が思考の抽象度を押し上げ、ブリーフシステムの階層性を、抽象度の高低にそった形に整え、個々人のゴールに適したアティチュードをつくると、それがハビットに影響していくのです。」
(『いい習慣が脳を変える』p32)
- ハビット・・・「無意識の癖を含む行動性向」。毎朝歯を磨く、顔を洗うなど。
- アティチュード・・・「物事に対する考え方」。口の中を清潔にしておくのは良い事だ、など。
- ブリーフシステム・・・「無意識レベルで行っている行動や自身の信念」。
ここまで読んでくださり、本当にありがとうございます(^^♪