腸内環境を整えるには、食事だけではなく、運動や瞑想といった日々の生活習慣の積み重ねが大切になってきます。
今回は、「腸内環境を整える」「腸内細菌のバランスを整える」とは、手段や目的であるというより日々の習慣の「結果」であるということについてです。
腸活/腸内環境の改善は、土壌を育むように焦らず地道に実践することが大切であると以前の記事でも書いたことがありましたが、「免疫力を高める」ことに関しても注目される腸を元気にしていくためには、ただ闇雲に乳酸菌を摂って善玉菌ばかりを増やそうとするのではなく、運動やマインドフルネス瞑想なども、生活習慣にとりいれることが必要になってきます。
腸内環境を整えるというと、どうしても「プロバイオティクス」などによって有用菌を摂ることが(大手企業の宣伝広告などで)推奨されますが、有用菌を摂取する「プロバイオティクス」や菌のエサになる成分を送り込む「プレバイオティクス」を、腸内環境を整えるための「手段」や「目的」にするのではなく、これらは生活習慣を改善したうえでのプラスアルファとして捉えたほうが良いと私自身は考えます。
また、腸と脳と腸内細菌叢はつながっているため、腸を元気にするためには、食事の改善だけではなく、運動や瞑想を適度に行う習慣によってメンタルを良好に保ちつつ、ストレスとうまく付き合っていくことも重要です。
たとえば、日常生活において、我慢しすぎたり無理しすぎたりして、ストレスや不満、マイナス感情を心に溜め込まないようにすることも大切です。
そしてそのためには、繰り返すようですが、ウォーキングやヨーガといった適度な運動や、マインドフルネス瞑想などを習慣化することが効果的であると考えられます。
さらに腸内環境と外部の環境はつながっているため、自然環境に身を置く時間を増やして心身ともにリラックスすることは重要です。
たとえば「森林浴×アーシング」は腸を元気にするために効果的ですが、日頃からどのような環境に接しているかということも、腸の健康維持のためには大変重要になってくるのです。
もし日頃からストレスを溜め込みやすい性格なのであれば、時々腹の底から笑ったり、思いっきり遊んだりすることも必要です。
このことに加え、趣味への没頭や「フロー体験」などによって、生きていることの歓びや心地良さを実感したり、大きな目標を達成することで、充実感に浸ったりすることも大切です。
そのほか、腸の活動を妨げないために、なるべくおなかを冷やさないようにすることも重要です。
特に体が冷える冬場は、腹巻きなどを利用したり、こまめに温かいお茶や、ルイボスティーといったハーブティーなどを飲んだりすることで、おなかを温めるようにすることが大切です。
このような食事・運動・瞑想といった生活習慣によって代謝が良くなっていくと、「入れる」と「出す」のサイクルがスムーズに回り始め、ひどい便秘も改善されていきます。
(ちなみに「代謝」とは体内で起こる化学反応全体のことをいいますが、より大ざっぱに言えばエネルギーの生産と消費のことで、酸素や食事をとりいれてそれらをエネルギーや体の材料に変え、排せつするまでの一連の流れのことを指します。)
すなわち「腸内環境を整える」「腸内細菌のバランスを整える」とは、手段や目的というより、毎日の生活習慣の<結果>であるといえるのです。
堆肥や木材チップやマルチが土壌生物を育てるのと同じように、食べ物は腸の共生生物を育てる。生きている土は地上に影響を及ぼして、庭や畑の健康と回復力を支えるが、人間の内なる土はもう一つの庭、すなわち私たちの身体を支える。有益な微生物を育てれば、それは病原性の微生物を避け、免疫系が自分に牙をむくことなく正しくはたらくようにしてくれる。
(デイビッド・モンゴメリー+アン・ビクレー『土と内臓 微生物がつくる世界』 片岡夏実 訳 315頁)
腸とマイクロバイオータと脳の緊密な情報交換は、生涯を通じて二四時間三六五日、寝ても覚めても行き交っている。この三者間のコミュニケーションは、基本的な消化作用を強調して行なうためだけのものではなく、感情、判断、社会化、食事の量など、私たちの経験のあらゆる側面にさまざまな影響を及ぼしている。ゆえに、注意深くこの会話に聞き入れば、私たちは最適な健康を手にすることができるはずだ。
(エムラン・メイヤー『腸と脳』 高橋洋 訳 266頁)
ここまで読んでくださり、本当にありがとうございます(^^♪
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