「ネガティブ」だけではなく「ポジティブ」な側面も見つけ出す<±0プラマイゼロ思考>で、心の免疫力をアップしてみませんか?
今回は、「±0プラマイゼロ思考」で「ネガティブ」だけではなく「ポジティブ」な側面も見つけ出すことが、心の免疫力を高める生き方につながるということです。
実は私自身、油断すると過去の失敗を後悔するといった、ネガティブな気分に陥りやすいため、なるべく「±0プラマイゼロ」で、不自然にポジティブになろうとするのではなく、自然体で生きることを心がけています。
特に「何だかうまくいかない」と気持ちが落ち込んでくると、どんよりと曇ったように、物事をなんでもネガティブに捉えてしまいがちになりますが、そういう時こそ、あえて前向きな錯覚を持つことで楽観的に考えることが、心の免疫力をアップさせるためには重要であるように思います。
たとえば、科学者のレナード・ムロディナウ氏は、無意識の領域について書かれた『しらずしらず』(水谷淳 訳)という本のなかで、
「心理学の文献には、自分自身に対する前向きな「錯覚」を持つことが、個人と社会の両面で利点となることを実証した研究があふれている」
と述べています。
心理学の文献には、自分自身に対する前向きな「錯覚」を持つことが、個人と社会の両面で利点となることを実証した研究があふれている。研究によれば、手段はどうあれ前向きな気分へ促されると、人は他人とより多く交流し、他人をより多く助けるようになる。自分自身に対してよい感情を抱いている人は、交渉の場面でより協調的になり、対立を解消する建設的な方法を見つけられることが多い。また、問題をよりうまく解決し、成功したいとより強く思い、難題に直面したときにより粘り強さを見せる。
(『しらずしらず あなたの9割を支配する「無意識」を科学する』 レナード・ムロディナウ 著 水谷淳 訳 ダイヤモンド社 326頁)
ちなみに何でも前向き・楽観的に考える「楽観的思考」とは、たとえば、いつの間にか財布に1000円札が1枚しか残っていなくても、「たったの1000円しかない」と落ち込むのではなく、
「まだ1000円もある」もしくは「1000円あるだけでラッキー」
と思えることです。
もしくは、自宅に押し入ってきた強盗にお金や高価な物を奪われたとしても、そのことに落胆するのではなく、「命まで奪われなくて良かった」と思うようにすることです。
ネガティブなときほどポジティブになるのは難しい。
では、自転車に乗っている時に、濡れた道路でタイヤがスリップして転んでしまい、腕や脚を打撲したうえ、お気に入りのズボンが擦り切れてしまったりした場合はどうでしょうか。
気分が落ち込んでいる時は「こんな目に遭うなんて自分はなんて運が悪いのだろう」と思ってしまい、「骨折しなかっただけラッキー」と、良い方向に捉えるのは難しいものです。
ですが、極端に楽観的に考えることは出来なくても、「もっとひどい目に遭うかもしれなかったのに、これだけで済んだ」と考えることで、ネガティブな思考だけにとらわれないようにすることは可能です。
つまり、毎日の思考パターンを変える練習によって、「ネガティブではない」という意味での「ポジティブ」を目指してみることは、それほど難しくないのです。
「ネガティブ」だけではなく「ポジティブ」な側面も見つけ出して物事を楽観的に捉える。
具体的に述べると、一つの物事に対して、「ネガティブではない」という意味での「ポジティブ」な側面を見つけ出す(楽観的に考える)ことで、バランスをとるようにするということです。
数字でいえば、「マイナス5」を「プラス5」に変えるには「10」を足すことが必要になりますが、それだと大変なので、「マイナス5」(ネガティブ)に「プラス5」(ポジティブ)だけを足して、毎回「±0(プラマイゼロ)」に戻すようにしてみる(中和する)のです。
たとえば、ネガティブな感情が頭に浮かんだら、
「一般的には不安や怒りなどネガティブな感情が浮かぶことは悪いとされているが、ネガティブな感情が浮かぶことには、生きていくうえでの何らかの役割があるため、必ずしも悪いとは限らない」
と考えてみるのです。
(お笑いコンビの「ぺこぱ」風にいえば、最初から「悪い」と否定せずに、ポジティブな側面も探り出して、「悪くないだろう。」の方へもっていく感じです。)
また、「ネガティブな思考ばかりしている自分は駄目なやつだ」と考えてしまうことで自分を責めてしまう場合でも、何でもネガティブに考えてしまう理由は、親の教育や家庭環境に問題があったからかもしれないと考えることが出来ます。
ただし、自分が抱えている問題の全てを親のせいにして解決しようとすると、「白か黒か」という短絡的な思考になってしまいますので、その親も子供の時に実は自分と同じような境遇だったのではないか、と、さらに他の要因を探っていくことが必要になります。
マイナスの感情を「プラマイゼロ」にする「ありがとう」の気持ち。
ほかにも、たとえばコンビニエンスストアに立ち寄り、会計する際に、店員の接客態度があまり良くないと不満を持ったとします。そしてそのことでイライラすると、ついその店員に対して文句を言いたくなるかもしれません。
しかしながら、自分のために会計をし、商品を袋詰めしてくれたことをポジティブに捉え、「ありがとう」と感謝の気持ちを持つことで、マイナスの感情を「プラマイゼロ」にすることも出来るのです。
そのほか、大きな失敗をやらかしてしまってヘコんだとしても、そこで自分を責めるだけではなく、「うまくいった」という未来での成功の視点から眺めれば、この失敗は必要なのだと思うようにすることも出来ます(失敗に関していえば、気休めではなく、実際に「失敗は成功のもと」です)。
このように、もし精神的なストレスなどでネガティブな気分に陥ったら、無理にポジティブになろうとするのではなく、ポジティブな側面を探り出し、気持ちを「±0プラマイゼロ」に戻してみてはいかがでしょうか?
今回は、「ネガティブ」だけではなく「ポジティブ」な側面も見つけ出す<±0プラマイゼロ思考>で、心の免疫力を高める生き方について述べてみました。
ここまで読んでくださり、ありがとうございます(^^♪
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