マインドフルネス瞑想は繰り返し練習することで効果を発揮する。【いつもの脳を変える】

生き方

マインドフルネス瞑想は繰り返し練習することで効果を発揮する。【いつもの脳を変える】

マインドフルネス瞑想は繰り返し練習することで効果を発揮する。

マインドフルネス瞑想を繰り返し練習することで、いつもの脳のパターンが変わる生き方、始めてみませんか?

先日【いつもの脳を変える生き方】として、

繰り返し練習し続けることがいつものパターンを変える。

ということについて述べましたが、そもそも私たちの脳は長期的な利益よりも、目の前の報酬・ご褒美に弱く、最初から幸福な生き方が出来るように設計されてはいないことも事実です。

このことに関して、たとえば科学ジャーナリストのロバート・ライト氏は、以前の記事でも取り上げた『なぜ今、仏教なのか 瞑想・マインドフルネス・悟りの科学』(熊谷淳子 訳)のなかで、「自然選択」について言及し、

 

私たちは自然選択によってつくられ、自然選択の仕事は遺伝子の繁栄を最大限に高まることにつきる。自然選択は、真実それ自体に頓着しないばかりか、私たちの長期的な幸せにも頓着しない。

かぶりつく前に放出されるドーパミンは、それを上まわる幸福が待っていると約束するものであり、かぶりついたあとのドーパミンの急降下は、ある意味で約束違反だ。少なくとも、過大な約束だったことを生化学的に認めているようなものだ。あなたもその約束をうのみにした――食べることそれ自体から得られる快楽より大きい快楽を期待した――という点で、妄想にかられたとはいわないまでも、少なくとも誤認させられたといえる。

残酷だといえなくもないが、自然選択に何を期待できるだろう。自然選択の仕事は遺伝子を拡散する機械をつくることだ。それが機械にある程度の錯覚を組みこむことを意味するなら、錯覚が組みこまれることになる。

としています。

要するに、そもそも脳は進化と共に発達していったため、現実をあるがままに描写するようには最初から設計されていない、完璧ではないということがポイントなのです。

 

しかし、どういう感覚に対して「快」を感じるのか、もしくは「不快」を感じるのか、自分自身の内面や在りようと向き合うために、マインドフルネス瞑想(もしくは上座仏教におけるヴィパッサナー瞑想)を実践してみることは、特に様々な情報や刺激が溢れている現代社会に対しては、有効な処方箋になるように思うのです。

またこのことは、(本当は自分は何をしたいのかなど)自分自身への気づきを深めることにもつながるように思います。

 

マインドフルネス瞑想は繰り返し練習することで効果を発揮する。

そして、スマホのゲームやSNSの情報などにふれるたび、刺激→行動→報酬といったいつものパターンで反応してしまうけれど結果的に心が満たされないという場合は、心の性質への対処法として、仏教の考え方や、「今・ここ」に気づくためのマインドフルネス瞑想や慈悲の瞑想を繰り返し練習していくことが重要になってくるように思うのです。

 

最新のスマホゲームにはまっているとき、あるいは好みの味のアイスクリームに病みつきになるとき、私たちは、現在科学的に知られているかぎりで、進化上最も古くから受け継がれている学習プロセスを働かせている。人間はそのプロセスを無数の生物種と共有する。最も原始的な神経系を持つ生物でも同じだ。それは、報酬に基づく学習プロセスである。

(ジャドソン・ブルワー『あなたの脳は変えられる』 岩坂 彰 訳 35頁)

 

このことに関してはロバート・ライト氏も、『なぜ今、仏教なのか』のなかで、

 瞑想上達の道の大部分は、作用をおよぼしてくる原因に気づき、ものごとが自分をあやつる方法に気づくことであり、さらに、感覚がタンハーを生じさせる場所、快の感覚に対する渇望と不快の感覚に対する忌避を生じさせる場所に、連鎖のかなめとなる鎖があると気づくことだといっていいだろう。マインドフルネス瞑想が深く介入できるのはこの場所だ。

と述べています。

 

またそれは、

「十分に修養を積んだうえでの経験にもとづいた理解、マインドフルな気づきのことであり、それは連鎖を断ち切るか、少なくともゆるめるだけの力をもたらしてくれる」

としたうえで、

 

マインドフルネス瞑想の真の上達は、放っておくと勝手に知覚や思考や行動を方向づける感覚の力学への気づきをより深めること、そして、もとはといえばそのような感覚を引き起こす周囲のものごとへの気づきをより深めることを必然的に意味するといっていい。

 

とも述べています。

 

このようにマインドフルネス瞑想において大切なのは繰り返し練習することであり、もし途中で投げ出してしまえば、やはり結果的にいつもの刺激→行動→報酬のパターンや「もっともっと!」と欲しがるドーパミンに振り回される毎日に戻ってしまう可能性が高くなってしまうのです。

そしてほかの記事でも述べましたが、最初から1時間のマインドフルネス瞑想に挑戦するよりも、始めたばかりの頃はこまめに1分や10分実践したほうが、小さな習慣として続けやすくなります。

 

 

ちなみにいつもの脳を変えるのに最適なのはマインドフルネス瞑想以外では、神経可塑性の観点から、「運動」、特にヨーガや太極拳など、ゆっくりと動きつつ、瞬間瞬間に気づいていくための運動が挙げられます。

また、ウォーキングやジョギングなど適度に運動を行うことは、脳の様々な部位を複雑に刺激し、神経細胞を増やしたり、認知機能を改善したりすることにつながっていきますので、先日の記事で述べたスマホ脳の改善や、アルツハイマー病の予防にも効果的です。

 

なぜ今、仏教なのか

 瞑想上達の道の大部分は、作用をおよぼしてくる原因に気づき、ものごとが自分をあやつる方法に気づくことであり、さらに、感覚がタンハーを生じさせる場所、快の感覚に対する渇望と不快の感覚に対する忌避を生じさせる場所に、連鎖のかなめとなる鎖があると気づくことだといっていいだろう。マインドフルネス瞑想が深く介入できるのはこの場所だ。

おそらく前の段落の「気づく」ということばには注釈をつけたほうがいいだろう。ここで私が言っているのは、このような因果の連鎖を観念的に理解する純粋に学問的な気づきのことではない。十分に修養を積んだうえでの経験にもとづいた理解、マインドフルな気づきのことであり、それは連鎖を断ち切るか、少なくともゆるめるだけの力をもたらしてくれる。

とはいえ、経験にもとづいた理解を補強し、ときに協働するのは、仏教哲学の一部をなす観念的な理解だ。マインドフルネス瞑想の真の上達は、放っておくと勝手に知覚や思考や行動を方向づける感覚の力学への気づきをより深めること、そして、もとはといえばそのような感覚を引き起こす周囲のものごとへの気づきをより深めることを必然的に意味するといっていい。仏教の悟りには西洋科学における啓蒙と共通する部分があるといえる。どんな原因がどんな結果をもたらすかという気づきをより深める必要がある点だ。

『なぜ今、仏教なのか 瞑想・マインドフルネス・悟りの科学』 ロバート・ライト 著 熊谷 淳子 訳 早川書房 270頁

 

今回はマインドフルネス瞑想は繰り返し練習することで効果を発揮するということについて述べてみました。

ここまで読んでくださり、本当にありがとうございます(^^♪

 

マインドフルネス実践でいつもの「脳」が変わる生き方 もっと「今・ここ」を生きるための瞑想入門

Amazon Kindle で販売中です😊

 

 

 

当ブログ「ハチミツとミトコンドリア」ではハチミツの栄養効果とミトコンドリアのエネルギーで、令和の時代の真の健康と幸福の実現、現代病の問題の多くを解決する方法について考えています。ここまで記事を読んでくださり、ありがとうございます。


(なお、健康についてはそれぞれ個人差があり、誰にとっても100%正しい情報というのは考えにくいため、当ブログの記事内容については参考程度に止めておいていただければ幸いです)。

関連記事

  1. 瞑想で今の瞬間に注意を集中する―『マインドフルネスストレス低減法』

    マインドフルネス

    瞑想でいまの瞬間に注意を向ける。―『マインドフルネスストレス低減法』

    いつになっても毎日あたまの中が「やっかいごと」だらけで、精神的…

  2. ついやってしまう「習慣化」の鍵を握るのは「状況」と「きっかけ」。

    生活習慣

    ついやってしまう「習慣化」の鍵を握るのは「状況」と「きっかけ」。

    2023年の新生活は、これまでの習慣を見直し、運動や瞑想など、…

  3. 習慣は自分の人生を「理想郷」にするために大切ー『人生を変える習慣のつくり方』

    生活習慣

    習慣は自分の人生を「理想郷」にするために大切ー『人生を変える習慣のつくり方』

    2020年、新しい時代の幕開けをきっかけに、新しい習慣を始めて…

  4. 「気づく」とはどういうことか こころと神経の科学

    マインドフルネス

    『「気づく」とはどういうことか』はマインドフルネスに関心がある方にオススメ。

    当ブログでは、令和の時代の心と身体の健康のために、マインドフル…

  5. 『なぜ今、仏教なのか』から「自然選択」と「妄想」の関係を考える。

    ブッダ/仏教

    『なぜ今、仏教なのか』から「自然選択」と「妄想」の関係を考える。

    もしコロナ禍でつらい思いをしているのであれば、仏教や瞑想に関心…

  6. 贈与と偶有性の瞬間(とき)。

    マインドフルネス

    贈与と偶有性の瞬間(とき)。 

    当ブログではこれからの真のヘルスケアについて述べていますが、今回はスト…

特集記事

  1. ミトコンドリアであなたのエネルギーを劇的に増やすための科学的アプローチとは?
  2. そもそも「習慣」とは何か?【健康と幸福のために知っておきたい】
  3. ミトコンドリアにおける<呼吸>の意味とは?【息苦しいコロナ時代に知っておきたい】
  4. 『「運が悪い」は変えられる。なぜマインドフルネス瞑想を実践すると運が良くなるのか?』

オススメ記事

  1. アルツハイマー病の原因「アミロイドβ」はなぜ蓄積してしまうの…
  2. 「ありがたい」という言葉をこまめに唱えてみることで感謝する練…
  3. 【知っておきたい】感情調整のための「再評価(Reapprai…
  4. インターバル速歩はなぜ健康長寿&認知症予防に効果的…
  5. 『病気が教えてくれる、病気の治し方』から病気とは何かを考える…

カテゴリー

『腸内フローラ改善習慣で、腸を元気にする生き方』Kindle で販売中です😊

管理人
塩川水秋

真の健康と幸福の実現を創造&情報発信。

ブログ内検索

Generic selectors
Exact matches only
Search in title
Search in content
Post Type Selectors

Copyright © 2024 copyrights.ハチミツとミトコンドリア All Rights Reserved.

 

amazonアソシエイトプログラムに参加しています。当ブログの記事には、訪問者様が製品またはサービスをamazonから購入した場合に、管理人が手数料を受け取ることがあるリンクが含まれています。

  1. 生き方そのものを変える可能性がある、真の実用書だと感じたスゴイ3冊+α

    生き方

    生き方そのものを変える可能性がある、真の実用書だと感じたスゴイ3冊+α
  2. 1. 心臓は“第2の脳”?──ハートブレイン理論の驚くべき真実

    心臓・ハート

    心臓も脳と密接につながっている。【brain-heart connection】…
  3. 『40代からの健康長寿&認知症予防対策 食事・運動・瞑想でゆっくりアンチエイジング』

    電子書籍

    『40代からの健康長寿&認知症予防対策 食事・運動・瞑想でゆっくりアン…
  4. 21世紀・令和の健康実現は<バランス>が大切。

    生活習慣

    21世紀・令和の健康実現は<バランス>が大切。
  5. 本物のマヌカハニーの正しい選び方

    ハチミツ

    本物のマヌカハニーの正しい選び方とは?
PAGE TOP