自分自身を思いやるセルフ・コンパッションがいつもの「脳」を変える。

生き方

自分自身を思いやるセルフ・コンパッションがいつもの「脳」を変える。

自分自身を思いやるセルフ・コンパッションがいつもの「脳」を変える。

自分自身を大切にすることで、いつもの「脳」が変わる生き方を始めてみませんか?

今回は自分自身を思いやることが脳ストレスを減らし、そのことがいつもの「脳」を変えることにつながるということについてです。

 

まず以前の記事のおさらいですが、ギャンブルやアルコールの摂取、オンラインショッピングやYouTube動画の視聴など、「依存症」や「中毒」になるリスクが高い、「どうしてもやめられない習慣」・「ドーパミン的生き方」に関わってくるのは、「報酬系」(reward system)や「快感回路」(pleasure circuit)と呼ばれる脳の領域だといわれています。

そしてその「報酬系」には「ドーパミン」が関与しているということは、ほかの記事で述べましたが、

そもそも刺激→行動→報酬のサイクルを引き起こすのは、したくない仕事を頑張り過ぎることや人間関係の気疲れ、他人の余計な一言など、何らかの精神的「ストレス」であるように思います。

そのため、いつものどうしてもやってしまう習慣やパターンを変えるために必要なのは、脳が感じる「ストレス」を減らすことであると考えられます。

 

脳が感じるストレスとは?

たとえば脳生理学者の有田秀穂氏は『脳からストレスを消す技術』のなかで「私たちの脳は、心身が不快に感じることはすべて、「ストレス」と認識するのです」と述べています。

さらに、「心のストレスの正体は、「脳が神経伝達物質を通して感じるストレス」」であるとし、そのようなストレスのことを「脳ストレス」と呼んでいます。

では「脳ストレス」が生じるのはどういう場合なのでしょうか?

 

有田氏によれば、

  • 「快が得られなくなることによって生じるストレス」
  • 「自分が相手のためにと思ってしていることが、正当に評価されないことによって生じるストレス」

の二つが、脳を発達させた人間ならではの特徴的なストレスだとしています。

 

一つ目の「快が得られなくなることによって生じるストレス」とは、いくら美味しいスイーツにかぶりついたとしても、その「快」(たとえばドーパミンの分泌)はずっと続かないことです。すなわち「快」が続かないことでイライラするなどの「不快」を感じてしまうのです。

二つ目の「自分が相手のためにと思ってしていることが、正当に評価されないことによって生じるストレス」とは、別の言い方をすれば「承認欲求」が満たされないというストレスです。

 

たとえば食材やレシピにこだわり頑張って料理を作ったとしても、食べてくれた相手が期待通りに「美味しい」や「ありがとう」と言ってくれなければ、どうしても満たされない気持ちになってしまいます。

このように「~したのに……してくれない」といった場合には、脳の予測が外れることによって心に不満が生じてしまうことが多いのです。

 

ちなみに神経科学者・認知心理学者のダニエル・レヴィティン氏は、『サクセスフル・エイジング』(俵晶子 訳)のなかで、「ネガティブな経験をした後に世界から退くのは、進化的適応です」とし、「反芻」することは、「何が間違っていたのかを生産的に熟考するための時間を与えてくれます」と述べていますが、その一方で、

 

しかし、過度の反芻はストレスホルモンを増加させます。それは不幸の下降サイクルに陥らせ、1つまたは複数の大きな憂うつの発作を誘発する恐れがあります。反芻は、対人関係の問題解決を妨害し、建設的行動に関わる意欲を減少させ、社会的関係を損ないます。反芻はまた、気分依存性の高い記憶検索の持つ破壊的側面を増大させます。海馬は感情にこの上なく敏感だからです。

 

としていることは注目に値します。

 

たとえば仕事などで大きな失敗をやらかしてしまったあとに、その経験を反芻し考え続けることで、繰り返し同じ失敗をしないように良い解決策を導き出すことは大切です。

しかしながら同じ道をぐるぐるとさまよい続けるように葛藤し、苦しみ続けるのであれば、そのことは心と身体の健康を守るためには避けたほうが賢明なのです。

さらにノースイースタン大学の著名な心理学教授であるリサ・フェルドマン・バレット博士は、『バレット博士の脳科学教室 7½章』(高橋洋 訳)のなかで、

病気、貧困、ホルモン異常、睡眠不足、運動不足などの生活上の問題のせいで身体予算がすでに枯渇している場合、脳はあらゆる種類のストレスの影響を受けやすくなる。それには自分や身近な人々を脅したり、虐げたり、苦しめたりすることを意図した言葉による身体的な影響も含まれる。

と述べています。

 

マインドフルネス瞑想はストレス対策のために効果的。

マインドフルネス瞑想はストレス対策のために効果的。

このように、ストレスは溜まってしまうものではありますが、学校や職場でのハラスメントやいじめ、家庭内暴力などによって、慢性的なストレス状態が続くことは、決して良いこととは言えません。

ところが今・ここに気づくための「マインドフルネス」は、ストレス対策として非常に有効だと考えられています。

というのは、ストレスを感じた時の対処法として大切なのは、

  • 引きずらない
  • 溜め込まない
  • 受け流す

といったことであり、困難な出来事に遭遇した際に、ストレス反応を自ら引き延ばすのではなく、呼吸に注意を向けながら、余計な判断を加えず、そのストレスにのまれている自分さえも観察するようにして、冷静に対処することだからです。

そして、先日の記事でお伝えしましたが、マインドフルネス瞑想は繰り返し練習することで初めて真の効果を発揮します。そのため10分程度で構わないので、毎日の習慣として継続することをオススメします。

 

慈悲の瞑想の実践が脳ストレスを減らす。

慈悲の瞑想の実践が脳ストレスを減らす。

そしてマインドフルネスのほかに、もうひとつ、脳ストレスを減らすために実践していきたい瞑想法があるとしたら、それは自己と他者に思いやりの気持ちを向ける「慈悲の瞑想」であると考えられます。

というのは、自分や他人を常に思いやることと、脳ストレスの原因になる怒りや憎しみ、嫉妬といった負の感情をもつことは矛盾するからです。

 

この慈悲の瞑想に関しては、他の記事でも取り上げましたが、慈悲の瞑想の特徴は、

  • 「私は幸せでありますように」
  • 「私の悩み苦しみが無くなりますように」

と、まず自分の幸福を願うことにあります。

もちろん気分が落ち込んでいる時ほど、他人の幸福を願うことは難しいと思われます。

そのため「慈悲の瞑想」では、まず「私は幸せでありますように」と、自分自身を慈しむことから始まるのです。

 

 だれもが慈しみを必要としています。すべての生命が、やさしく、大切にされることを望んでいるのです。ですから、私たちは自分が模範になり、慈悲を実践し、感謝を示すことだけでも、他者を励ますようにしなければなりません。

(バンテ・ヘーネポラ・グナラタナ『慈悲の瞑想 慈しみの心』 出村佳子 訳 207頁)

 

慈悲の瞑想の実践でまず自分自身を大切にする。

慈悲の瞑想の実践でまず自分自身を大切にする。

毎日仕事や家事、試験勉強などでストレスや疲れが溜まり過ぎているのに、肩の力を抜くことができず、つい頑張りすぎたり無理しすぎたりしてしまうことは誰にでもあることかもしれません。

しかし身体が悲鳴をあげているのに、我慢してみんなと同じように頑張り続けようとすれば、次第に心がつらくなっていきます。

そのため苦しい思いをする前に、自分自身を思いやることが大切になってくるのです。

家族や友人、職場の同僚など、自分以外の近しい誰かに気をつかい、日頃から愛情を注ぐことは大切です。

 

しかしそのことだけになって心が苦しいと感じられたならば、無理して頑張るのを止め、こまめに休息するのと同じように、自分自身に思いやりを向けることも必要なのです。

そして、慈しみの種は誰の中にでも宿っていますので、お釈迦さまが説いているように、その種を育てるつもりで、日々、自己と他者へ向けて慈しみの実践を続けることが大切なのです。

 

自己を大切にするための「セルフ・コンパッション」とは?

自己を大切にするための「セルフ・コンパッション」とは?

ちなみにいまの自分自身という存在をいつくしみ優しい気持ちを向けることは、近年では「セルフ・コンパッション」として注目を集めています。

普段から自分自身や他人に対して、慈しみや思いやりの気持ちを持って接することは、自分や周りの人たちを大切にすることにつながります。

 

たとえば『自分を思いやる練習』のなかで著者の有光興記氏は、

  • 「セルフ・コンパッションは、完璧に物事を成し遂げられなくても、人を幸せにして、自分も幸せになれる方法です」
  • 「セルフ・コンパッションの実践では、過去の過ちを責めるのではなく、なぜ間違いや失敗を犯してしまったのかを理解し、その中での自分の頑張りを認めてあげます」

と述べています。

 

また心理学において「苦しみに対する認知や意図、動機づけをも含む概念」として捉えられている「コンパッション」とは、一般的に訳される「思いやり」というよりも、「他者の苦しみを取り除き、その幸福を願う感情であり、誰かのためを思い他者とつながろうとする動機が高まる感情」であると説明しています。

反対に、心のうちに憎しみや怒りの感情を抱き続けることは、脳のストレスや出口が見えない苦しみとなり、他人だけではなく、結果的に自分自身をも痛めつけることになります。

 

有光興記『自分を思いやる練習』

セルフ・コンパッションでは、まず自分の「息苦しさ」の存在を認め、「ああ、苦しいんだね」といった形でやさしい気づきを向けてあげます。気づきとは、自分の感情をあるがままに受け入れることです。ストレス対処法のように、「息苦しさ」の程度を評価したり、なくそうとしたり、違うものに変えようと努力しようとはしません。今現在、自分が感じている「息苦しさ」にただ気づいて、受け入れることが重要なのです。

(有光興記『自分を思いやる練習』 33頁)

 

思いやりの気持ちを向けることは「カタチ」から入ってみる。

思いやりの気持ちを向けることは「カタチ」から入ってみる。

最後に、慈悲の瞑想やセルフ・コンパッションの実践は、たとえ自分自身を慈しむ気持ちになれなかったとしても、理屈ではなく、まずは心の修行をするつもりで「かたち」から入ってみることが大事であるということをお伝えしたいと思います。

というのは、頭でいろいろと考えてから実行しようとすると、疲れてイライラしている時などは特に、自己にも他者にも思いやりの気持ちを向けることが難しくなるからです。

 

しかし、もし精神的なストレスを感じてネガティブな気持ちになった時や「人生がうまくいかない」と感じた時に、とりあえず、

「私は幸せでありますように」

と、セルフケアのために慈しみの気持ちを持つようにしてみると、最初のイライラが次第に自己嫌悪感や、憎しみ・怒り、ねたみといった感情へと増幅していくのを防ぐことが出来ます。

 

また自分自身を思いやることで気持ちを落ち着かせることが出来たら、今度は、家族や友人、知人、さらには街を歩いている時に出会う通行人の方々といった自分以外の「他者」に対しても、「いつまでも健康で幸せに生きられますように」と、常に慈しみをもって接したり、慈しみの気持ちを向けてみたりするようにしてみます。

いつまでも健康で幸せに生きられますように

さらに「心の悩みの9割は人間関係によるものである」と言われていますが、自分が苦手だと感じている人に対しても、憎しみや嫌悪感といったネガティブな感情が浮かんできたら、そのつど、

(あなたが/~さんが)お幸せでありますように

と、「好き」や「嫌い」ではないやさしい慈しみの気持ちで接してみることも、ネガティブな感情をやわらげ、増幅を防ぐのにたいへん効果的です。

 

今回はまず自分自身を思いやることが脳ストレスを減らし、そのことがいつもの「脳」を変えることにつながるということについて述べてみました。

ここまで読んでくださり、本当にありがとうございます(^^♪

 

 

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当ブログ「ハチミツとミトコンドリア」ではハチミツの栄養効果とミトコンドリアのエネルギーで、令和の時代の真の健康と幸福の実現、現代病の問題の多くを解決する方法について考えています。ここまで記事を読んでくださり、ありがとうございます。


(なお、健康についてはそれぞれ個人差があり、誰にとっても100%正しい情報というのは考えにくいため、当ブログの記事内容については参考程度に止めておいていただければ幸いです)。

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