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孤独な時こそ、自己肯定感や安全基地を育てるために、クリエイティブな生き方を始めてみることがオススメです。
前回の記事では、瞑想と読書と創造が「自己肯定感」や「安全基地」を育てるということについて述べました。
今回は、<孤独>であることと「創造」の関係性についてです。
では「孤独」と「創造」にはどのような関係があるのでしょうか?
まず、このことを考える時、『孤独の達人』のなかで臨床心理士の諸富祥彦氏が、
真のクリエイティブな思想、芸術、科学的発見は、分野の違いを超えて、きわめて孤独な作業からしか生まれないのは、必然です。
そしてこの深い孤独においてこそ、少数のごく親密な他者と深いつながりが回復されます。
と述べていることは大変参考になります。
深く孤独であることは、創造のためにも不可欠です。既知の考えやパターンと、内側のインプリシット(暗示的)な側面が相互作用するとき、新たな何かが生まれます。真のクリエイティブな思想、芸術、科学的発見は、分野の違いを超えて、きわめて孤独な作業からしか生まれないのは、必然です。
そしてこの深い孤独においてこそ、少数のごく親密な他者と深いつながりが回復されます。というより、深い孤独を知った人は、表面的なつながりを避けるようになり、少数の人との間でのごく親密で深い交流でしか満たされなくなるのです。それはまたそのような、ごく親密な深いつながりの中でしか、自己を真に深めていく、という内的な自己探索の作業を深めていくことは困難だからでもあります。
(『孤独の達人 自己を深める心理学』 諸富祥彦 著 PHP新書 19‐20頁)
またスコット・バリー・カウフマン&キャロリン・グレゴワールの『FUTURE INTELLIGENCE』(野中香方子 訳)という一冊のなかでは、
科学は、孤独な内省の時間がクリエイティブ思考の糧になることを裏づけた。
孤独に耐えられる能力は、成功したクリエイターに共通して見られる特徴だ。彼らは煩わしい日常の雑事や付き合いに背を向けて、自分自身とつながることができる。だが、孤独とは、単に気が散るものを避けて暮らすというだけではない。それは心の中で内省し、新しいつながりを築き、意味を見出すためのスペースをつくることなのだ。孤独とクリエイティビティは長く豊かな歴史を共有している。古代から孤独な暮らしは、創造力、知性、精神的な可能性を解き放つカギと見なされてきた。古代ギリシアの哲学者は、孤独を精神の探究、ひいては健全な生活に欠かせないものとして称えていた。
と述べられています。
クリエイティブな才能がないと思っても、普段当たり前にやっていることを少し工夫してみる。
さらに以前の記事で述べましたが、脳科学者の茂木健一郎氏がクリエイティブな仕事で結果を出すためには孤独になることが必要であると述べていることにも注目です。
茂木健一郎氏は、「安全基地」と「自己肯定感」に関しては、『孤独になると結果が出せる』のなかで、
- 「孤独だからこそ強いこだわりを必要としている」
- 「脳科学的に見れば、こだわりとは「安全基地」を強化する最強アイテム」
- 「自己肯定感を高めるには、自分と向き合うことが大切」
と述べています。
ちなみに「創造」に関しては、音楽を自分で作曲したり絵画で優れたアートを生み出したり、イノベーションによってビジネスの分野で成功したりしなければならないといったように、最初から難しく考える必要はありません。
たとえ「わたしにはクリエイティブな才能がない」と思ったとしても、たとえば普段から料理をするのが好きであれば、これまでに誰も思いつかなかった新しい料理のレシピを考えてみる、文章を書くのが好きならば小説や詩、エッセイを書いてみるなど、まずは日常生活で当たり前にやっていることを少し工夫してみれば良いのです。
そうすれば、「スマホ脳」や、「もっと欲しい!」というドーパミン目的とは別の充実感や達成感が得られます。
そしてもし孤独でいる時にクリエイティブな作業によって、揺らぐことのない自分自身の世界観を作り上げることが出来たならば、その自分だけの世界観が自身にとっての「安全基地」や「自己肯定感」になり得るのです。
ここまで読んでくださり、本当にありがとうございます(^^♪
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