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今回は「生活習慣」はアトピーを治していくためのキーワードであるということについて述べていきたいと思います。
アトピーによる顔や肌の赤みや、かゆみが気になって仕方がないけれど、保湿剤などを一生懸命塗っても、なかなか外側からのケアだけでは、皮膚にでてくる赤みやかゆみは改善されない、と感じる方は意外と多いのではないでしょうか?
アトピー性皮膚炎によって皮膚が赤くなったり、かゆくなったりすることは、本当につらいものです。私自身も、顔やからだに赤みがひろがったことや毎日の皮膚の落屑によって、精神的にかなりつらい日々を送った経験があります。
では、アトピーの皮膚の赤みはなぜ起きてくるのでしょうか?
分かりやすくいえば、皮膚が赤くなるのは、からだのなかで「炎症」が起こっているからなのであり、このことは、何らかの異物に対して、からだの免疫機能が反応しているということでもあるのです。
アトピーの原因には、食べ物のなかのアレルゲンや化学物質、細菌、ダニやホコリなど、様々なものが挙げられますが、そういったものに対して、免疫が反応してしまうわけなのです。
つまり、アトピーはアレルギーの一種だとされていますが、広い意味では、血液の汚れなどの要因で炎症という症状が起こってしまっていることが、アトピーの大きな原因なのだと思われます。
生活習慣を変えることによって炎症の原因となるものを遠ざけていく。
そのため、アトピー性皮膚炎における炎症を少しでも抑えていくためには、食事などの生活習慣を変えることによって、炎症の原因となるものを遠ざける必要があると思われます。
ちなみにアトピーの治療に用いられるステロイド剤は、一時的に免疫を抑制することで、炎症を抑えるとされていますので、対症療法としては有効かもしれませんが、炎症が起こる原因をどうにかしない限り、アトピー性皮膚炎の根本的な治癒にはいたらないように思います。
もちろん、この記事でステロイド剤の使用を完全否定するわけではないのですが、本当の意味でからだで起こっている炎症を軽減していくためには、ステロイド剤を皮膚の患部に塗るだけではなく、ストレスの原因になるものを減らすなど、自分自身で日頃の生活習慣を変えていくしかないように思うのです。
医者に言われたとおり、いくらステロイド剤や保湿剤を塗ってもアトピーが治らない、顔や肌の赤みが消えない、と悩んでいる方はたくさんいらっしゃるのかもしれません。
また、もしかしたら自分のアトピーはこのままずっと治らないのではないか、と不安になっている方も多いのかもしれません。
アトピーだからといって自分ばかりを責める必要はない。
ですが、よく言われることですが、アトピー性皮膚炎になる人が急増したのは、ここ数十年の間だといわれており、まだ都市化・工業化が進んでいなかった頃には、アトピーになる人はあまりいなかったとされているのです。
ところが、近年は、加工食品の多くに何種類もの食品添加物が当たり前のように使われていますし、洗剤、スキンケア用品、消臭剤などにも、からだにとっては不自然な化学物質が経皮毒として、たくさん入りこんできます。
要するに体のなかに毒素が溜まってしまっており、その毒素をからだが排出しきれないことが、からだの内側からアトピーが起こってくる原因のひとつだと考えられるのです。
けれども、からだに不要物が溜まってしまっているからといって、自分のこれまでの生活習慣を責める必要はありません。なぜならアトピーは個人の責任というよりも、アトピーになりやすい環境になってしまっている現代社会のほうに問題があると思われるからです。
つまり、アトピー性皮膚炎だからといって、アトピーである自分ばかりを責める必要はないということなのです。
しかし、だからといって、アトピーを自分以外の何かのせいにしていても何も始まらないように思います。
したがって、からだの内側から起こっている炎症を抑えていくためには、日頃の生活習慣を、健康な皮膚を取り戻すという思いから、自らの意志で変えていくというアプローチが重要になってくると、私自身は感じるのです。
生活習慣をいきなり変えるのは難しい理由
ところが、生活習慣を変えるといっても、今までの生活習慣をいきなりガラリと変えるというのは難しいかもしれません。
なぜなら「生活習慣」とは、いちいち考えなくても、日頃、当たり前のように何気なくやっていることの集まりだからです。
そのため、これまでの生活習慣を頑張って変えようとしても、気がつくと、もとの生活習慣に戻ってしまっている可能性が高いのです。
したがって、「生活習慣を変える」といっても大切なのは、何もかも生活習慣を変えようとして頑張ることではありません。
自分のアトピーと関係していそうな生活習慣を自分で変えたいと思って変えてみる。
それよりも、まずは、自分でこれまでの生活習慣を振り返り、出来る範囲で、アトピーと関係していそうなものに対して、自分からあえて距離を置いてみることが重要なのです。
その際、より大切なことは、まずは3割程度、自分のアトピーと関係していそうな生活習慣を、自分で変えたいと思って、変えてみることなのです。
どのような生活習慣を送っているかは人それぞれですので、「この生活習慣を正せばアトピーは治る」と明言することは出来ませんが、栄養バランスの悪い食生活や生活リズムの乱れ、運動不足、睡眠不足、長時間のパソコンやスマートフォンの使用などは、どこかでアトピー性皮膚炎の症状と関係しているかもしれません。
また、日頃の生活習慣を見直すことで、炎症が起こりにくい体に変えていくことは、アトピーの治療のためにステロイド剤を使用していた場合、そのステロイド剤をだんだん弱いものに代えていくということでもあるのです。
もちろん、生活習慣を変えたからといって、すぐに炎症が抑えられるわけではありません。
なぜなら、炎症はこれまでの自分の生活習慣の蓄積によって起こっていると考えられるからです。
したがって、炎症が抑えられていくタイミングはからだのほうが決めるのであり、自分自身ではいつ皮膚から赤みが消えるかは分からないのです。
大切なのはアトピーが良くなるような生活習慣を地道に我慢強く続けること。
そのため、炎症が引いたと思えた日があったとしても、次の日にはまたぶり返すこともありますので、皮膚の炎症のことで一喜一憂することは多々あります。
ですが、炎症が起こるということは、カラダが自分の体を治そうとしている結果であり、その炎症が起こらなくても良いように気をつける生活習慣を数か月、半年、一年と続けていけば、次第に皮膚の炎症も治まってきます。
このあたりのことは多くの方にとって半信半疑かもしれませんが、私自身が経験してきたことです。
以上ここまで、「生活習慣」はアトピーを治していくためのキーワードであるということについて述べてきましたが、
- 余計なストレスをなるべく減らす
- 食事の栄養バランスに気をつける
- 無理しない程度に運動を行う
- 多少かゆくてもなるべく気持ちのよい汗をかくようにする
- 笑える時は思いっきり笑うようにする
- 自分が楽しいと思えることに熱中する
など、時に我慢強く、地道に炎症が起きないような生活習慣を続けていれば、アトピーは(少なくとも以前よりは)必ず良くなっていくと、私自身、確信しています。
また、『小さな習慣』という本に書かれている通り、いきなり何もかも変えようとするのではなく、食事や運動に関して、最初の目標設定をなるべく小さくすることが、新しく始めた習慣を長続きさせる秘訣です。
ちなみに、アトピーを治していくために大切なこととして考えられるのは、シンプルに整理すると、以下のようになります。
- 腸内環境を改善する
- 血液をきれいにする
- 新陳代謝を良くする
そしてそのために具体的に必要なことは、以下のようなことだと思われます。
なお、アトピー性皮膚炎の症状に関しては、原因や症状についても個人差があるため、この記事の内容が、どなたにとっても100パーセント正しいわけではありません。そのため、この記事の内容は、アトピーを少しでも良くしていくための参考程度に止めておいていただければ幸いです。
また、この記事内容が少しでも、アトピー性皮膚炎に悩んでいる方の症状の改善のお役に立てれば、大変嬉しく思います。